漢の星座
古代ギリシャの頃に現在の星座は大体規定されたという。
空の星自体の寿命は大体数億年から数百億年といわれているから、
星座の歴史なんて星の寿命からしたら一瞬だ。
空の星の寿命は人間に比べるとすごい長さだが、星座もまた
永遠であるかというと、永遠どころか数万年後には全然違う形に
なっているということらしい。
そもそも太陽自体が銀河系(直径8.5万光年)の周りをぐるぐる
2億年周期でまわってるし、銀河系自体も動いてるし、星ってのは動くもの
だというわけで、星座の形なんてあてになりゃしない。
古代ギリシャ時代には北斗七星(大熊座)は地平線の下に
沈むことは無かったが、現在は沈むことがある。
とまあこんな具合だ。
おまけに個々の星は好き勝手な方向に移動しているので、
「たまたま」地球からそんな形に見えるだけの星座なんて
あっという間(といっても数万年)に変わってしまう。
そりゃ普通に生きてる人間はいいが、天体をもとになんか観測
するとなると、GPSより精度が下がるのではないか。
そういや今日は七夕だそうだ。
七夕といえば織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)なわけだが、
これらの距離は約15.3光年。
近いっちゃあ近い。
というのは、太陽系に一番近い恒星は約4.3光年のところにある
ケンタウロス座α星だからだ。
つまりこれくらいの距離だったら近いうちだと。
太陽系に近い恒星には他に5.9光年のところのバーナード星、
8光年のところにシリウスがある。
ところで織姫と彦星は近づいているのだろうか?
星の寿命は長いので15.3光年だったらもっと接近する可能性はある。
つまり現在それらの星が移動している方向を調べればいい。
調べてみたら、両星の距離は現在約15.3光年であるが、7万年後に
15.0光年まで近づきその後は永遠に離れてゆくばかりのようだ。
ああすれ違い。
ただまああんまり近づきすぎると、両者の星がぶつかってしまうことに
なり、ついには融合してしまうだろうなあ。
サイズによっては中性子星やブラックホールだ。
のめりこむ愛ってのは身を滅ぼすという教訓でした。